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14. 主婦やシニアの潜在労働力にアプローチ!

14. 主婦やシニアの潜在労働力にアプローチ!

プチ勤務

社会課題となっている少子高齢化の加速、2011年の東日本大震災、12年の第二次安倍政権による女性活躍促進の政策などを受け、15年のトレンド発表会で発信した2時間勤務などの超短時間の業務を切り出し、主婦やシニアの方たちが担い手となる働き方のトレンド『プチ勤務』。新しい働き方の可能性を広げるだけでなく、地域課題の解決に取り組んでいます。

働き方の“当たり前”を変えていく

労働力不足の課題に対し、社会の変化の兆しを捉え、多様な人材の多様な働き方に対応できる新たな働き方を模索し始めたリクルートジョブズ ジョブズリサーチセンター(JBRC)。まず着目したのは「主婦」でした。

日本の企業のほとんどがフルタイム勤務が前提で、採用基準でも時間の優先順位が高い。「ママはすぐ休む」「責任感がない」などのイメージが先行して敬遠されることも多く、主婦が働きたくても働けないというのが現状でした。そんな働き方の“当たり前“を変える必要がありました。14年のトレンド発表では『ありのママ採用』を発表し、社会人経験だけでなく、家事・育児経験を活かす女性の働き方を提言。翌年には『プチ勤務』というキーワードを発表しました。プチ勤務とは業務を細分化し、その業務に特化した超短時間勤務のこと。業務をシンプルなオペレーションに細分化することで2時間など超短時間での勤務が可能になり、フルタイムでは働けない主婦層の潜在労働力にアプローチしていきました。

そんななか、岩手県沿岸広域振興局の職員の方がJBRCに相談に訪れます。当時、岩手県は東日本大震災の影響で深刻な労働力不足に陥っており、復興の足がかりとなる工場を作っても働く人がいないという状態。地域に産業を残すためには、潜在労働力である主婦やシニアを取り込むことが必要不可欠だったのです。彼らの熱意に共感し、地元企業への啓発をスタート。しかし当初、業務の切り出しは簡単ではなく、切り出しの考え方や求人広告の作成方法などを伝え、サポートしていきました。プチ勤務のフレームを装着し、主婦の雇用改善の兆しが見え始めた事例ができると、企業もプチ勤務を推進するという好循環が生まれていきました。

シニアの雇用活性化のために『からだ測定』を導入

一方、シニアの雇用もなかなか兆しが見えない状況。「シニアは体力がなさそう」「加齢により能力が劣りそう」というイメージによる“当たり前”の壁がここにもありました。JBRCはこの当たり前も突破する必要があると考え、18年のトレンド発表会では『年功助力』というキーワードを発信。シニアの身体能力と思考能力の低下に対する先入観を払拭するために、リクルートの新規事業として開発された『からだ測定』を導入。求職者向け相談会では、からだ測定で個性・体力・処理力の3つの能力を測定、ブランクに対する不安解消や未経験職種に対するモチベーション向上につなげています。また企業側には、シニアの能力には個人差はあるが、年齢によって能力が低いという先入観をからだ測定のデータで払拭し、業務ごとに必要なスキルを明確化してプチ勤務のフレームを装着。双方向からシニアのプチ勤務雇用を促進しています。

行政や地域の方々とともに推進してきたこれらの取り組みは、地域全体に浸透。釜石市は女性の就業率の上昇、大槌町はシニアの就業率を上げていかに社会参加してもらうかなど、それぞれの地域課題解決のための施策として取り入れられ、現在はさまざまなエリアにも波及しています。なかには、プチ勤務で採用した人材を正社員に採用するケースも。子育て中の主婦のセカンドキャリア形成においてもプチ勤務は一役買っています。

人間は何となくの思い込みで苦手意識を持って、自分にはできないとキャップをかけてしまっていることが意外と多いと思います。シニアに限らず、からだ測定などのツールを活用して自分自身の可能性を知り、プチ勤務という働き方が、次の一歩を踏み出すきっかけになれば…。日本は今後も人口減少が続き、限りある労働力で社会を作っていかなければなりません。JBRCはこうした社会課題や時代の変化を捉えながら、これからも潜在労働力層の新たな働き方の可能性を広げるために、取り組み続けていきます。

宇佐川 邦子

話者プロフィール

宇佐川 邦子
リクルートジョブズ ジョブズリサーチセンター センター長

1992年フロムエーに入社。『タウンワーク』創刊などに携わった他、営業、商品企画、審査などを経験。2014年ジョブズリサーチセンター長に。リクルートの新規事業『からだ測定』のオーナー。行政との協働研究を多数けん引し、地域課題の解決に取り組み、新たな働き方の提案を行っている

このストーリーのカテゴリー

“国や地域の不を一つひとつ”

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